解析事例

RAISINGの応用例についてご紹介いたします。

●事例① HTLV-1クロナリティ解析

※データ提供:国立感染症研究所 斎藤 益満 先生 長崎大学病院 検査部 長谷川 寛雄 先生
HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)は主にCD4陽性T細胞に感染し、そのプロウイルスが宿主ゲノムにランダムに挿入します。このプロウイルス挿入が癌遺伝子の近傍あるいは癌抑制遺伝子内で引き起こされた場合、成人T細胞白血病発症の原因となることが報告されております(Nicolas Rosewick et al.,Nature communications, 2017)。
現在、成人T細胞白血病の診断にはサザンブロット法(HTLV-1クロナリティ解析)を用いたHTLV-1感染細胞の白血病化(モノクローナル増殖)の検出が必須とされておりますが、大量のDNA(血液)を要する、長時間で複雑な工程を必要とする、検出感度は十分ではないなど種々の問題を抱えています。
RAISING 法は、これらの問題を全て克服した方法であり、HTLV-1クロナリティ解析においては高感度かつ非常に再現性が高いデータが得られております。
解析事例1

●事例② ゲノム編集におけるノックインのオフターゲット検出

CRISPR/Casにより作製したノックインマウスについて、RAISING法およびNGSの組み合わせによりノックイン効率およびオフターゲットサイトの検出を試みました。
ノックインに用いたドナーDNAが目的とした9番染色体(chr9)に加えて、別の染色体へも挿入されていることが示唆されました。
解析事例2

●事例③ 動物培養細胞、植物細胞の挿入部位の決定

アグロバクテリウム法により挿入したシロイヌナズナのT-DNA タグライン、およびレトロウイルスベクターを挿入したマウス培養細胞に対してRAISING法を行い、サンガー法による挿入部位配列の確認、ならびに次世代シーケンス解析から得られた解読配列を元にゲノム配列へマッピングを行いました。

■サンプル情報

解析事例3

サンガーシーケンス結果

解析事例3 解析事例3
シロイヌナズナT-DNA挿入株AではT-DNAは複数の場所に挿入しており、マウス培養細胞Bではレトロウイルスベクターは一か所に挿入されていると考えられました。

次世代シーケンス結果

解析事例3
シロイヌナズナT-DNA挿入株Aは、5番染色体に二か所と2番染色体に一か所T-DNAの挿入部位が存在し、マウス培養細胞Bにおいて、レトロウイルスベクターは、10番染色体に挿入されているという結果が得られました。

●事例④ BLVクロナリティ解析

※データ提供:北海道大学 大学院獣医学研究院 今内 覚先生、岡川 朋弘先生
BLV(牛伝染性リンパ腫ウイルス)は地方病型牛白血病(EBL)の原因となるレトロウイルスであり、 感染牛のうち5%が地方病型牛伝染性リンパ腫(EBL)を発症すると言われております。
BLVはB細胞に感染し、HTLV-1と同様に宿主ゲノムにランダムに挿入されます。平成10年に届出伝染病に指定され、その後発生頭数、感染率は急激に増加しており、その経済的損失は計り知れません。
現在は感染診断キットやウイルス定量試薬が市販されていますが、ウイルスの感染診断にとどまり、発症予測には至りません。そこでRAISINGを応用したBLVクロナリティ解析により、発症予測診断に応用する取り組みを行っております。
解析事例4
ちなみに、事例1のHTLV-1クロナリティ解析、事例4のBLVクロナリティ解析についてはすでに外来DNA特異的なプライマー配列をご用意しております。そのためサンガーシーケンスプランについては以下のお得な価格にて承ります。
85,000円/8検体 (納期:5-10営業日)
※ 弊社でのクロナリティ解析の結果判定は実施いたしません。装置より得られたデータをそのまま納品いたします。また、NGSによる解析も「NGSプラン」にて受付可能です。

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クロナリティ解析ソフトウェア「CLOVA」について

CLOVAはクロナリティの度合いを定量化するための解析ソフトです。 RAISINGのサンガーシーケンス結果からクロナリティの度合いをClonality value(CV)として算出します。
またClonality valueだけでなく、第一クローン、第二クローンの挿入位置もFasta形式で出力可能です。ただし、第一、第二クローンが同じ比率の場合は、同定ができません。

■ソフトのダウンロードはこちらから

クロナリティ解析ソフトウェア「CLOVA」
※ご利用の際には、Rstudioのインストールが必要となります。
*RAISINGは特許出願中です。(PCT/JP2020/30907)